[ヤマセミ No.11] [ニュースレターINDEX]

インターネットを利用した地域自然情報の発信

ヤマセミの会事務局長   中村 朝彦

  1. はじめに
  2. ヤマセミの会について
  3. インターネットでの大島村の自然情報の公開
  4. ホームページのできるまで
  5. まとめ

1 はじめに

大島村の自然観察グループ、ヤマセミの会は、大島村の自然情報をインターネットで公開しています。本研究報告は、これをまとめたものです。


2 ヤマセミの会について

ヤマセミの会は、大島村の自然観察グループです。大島村では、1993年度に、「大島村自然観察イラストマップ」の作成が計画されました。上越市立春日小学校の村山曉教頭先生を講師に、一年間研修と観察会を行い、1994年3月にイラストマップが、完成しました。
イラストマップ完成の反省会で、今後も活動していくためにヤマセミの会をつくりました。会の名前になったヤマセミは、カワセミ類では日本で最も大きい鳥で、九州以北の山麓から山地の渓流に留鳥としてすむ鳥です。大島村では、保倉川・田麦川に、つがいで1〜2キロのなわばりをもって生息しています。
また、ヤマセミの会は、いきいき県民カレッジにも自然観察講座(16単位)として登録されています。
現在は、毎月の観察会、第10号まで発行されているニュースレター「ヤマセミ」、村民文化祭への積極的な参加などをおこない、大島村の自然に親しみ、守る活動をしています。最近では、大島村に少数生息している国蝶「オオムラサキ」を保護するため、エノキとクヌギの植栽を推進しています。


3 インターネットでの大島村の自然情報の公開

ヤマセミの会では、観察会の報告を、ニュースレター「ヤマセミ」で行っていますが、発行部数も30部と少なく、配布先も会員と村内の小中学校を主に、ほぼ村内に限られています。
そこで、大島村の自然を広く知ってもらうことと同時に、会員の撮影した野鳥や昆虫の写真の発表の場として、インターネットで情報発信することを考えました。幸いにして、上越教育大学学校教育研究センターと、長岡技術科学大学計画経営系のサーバ(インターネットで情報発信するためのコンピュータ)を使用させていただくことができ、「ヤマセミの会のホームページ」を公開できることになりました。


4 ホームページのできるまで

ホームページの情報の内容は、当面、ニュースレター「ヤマセミ」および、写真を主とした「野鳥」「蝶」「トンボ」のデータベース的なページとしました。
ホームページの作成は、画像の取り込みが最初になります。当初は撮影したスライドをフォトCDにしていましたが、時間がかかるため、途中からは、スライドおよびプリントを直接スキャナで取り込むようにしました。画像は、「野鳥」「蝶」「トンボ」を合わせて60種、デジタルカメラ(クイックテイク100)で撮影した観察会のスナップも含めて164枚になりました。
ホームページでは、文章をHTML(Hyper Text Markup Language)というハイパーテキスト形式の文章にします。これはさほど難しものではなく、普通のテキストエディタ(文字データを編集するためのソフト)で書くことができます。
出来上がった画像とHTMLを、サーバに入れればホームページが出来上がります。昨年(1995年)11月1日から公開している「ヤマセミの会のホームページ」は、
http://202.25.234.98/yamasemi/
および、
http://marcer.nagaokaut.ac.jp/~asahiko/yamasemi/
で見ることができます。


5 まとめ

「ヤマセミの会のホームページ」は、昨年12月より今年2月まで開催されている国土庁主催の「地方都市インターネットエキスポ」への参加を要請され、開催時 38団体の「協力団体」のひとつにもなっています。また、公開して一箇月後の昨年12月には、早稲田大学のリンクランクで、395位にはいり、131ものホームページからアクセスできるなど多くの人に評価されました。雑誌「NEW 教育とコンピュータ」11月/1995(学研)にも紹介されました。今年(1996年)1月になって、カウンターを設定してみたところ、「ヤマセミの会のホームページ」には、一日14件くらいのアクセスがあることがわかりました。これから推計すると、3箇月で1200件を越えるアクセスがあったことになり、ある程度、大島村の自然を広く知ってもらうことができたと思われます。
さらに、本研究にあたっては、全ての画像が会員の撮影した写真であり、会員の撮影した野鳥や昆虫の写真の発表の場としても有効であったと考えています。
現在、上越地区では、上越市が学校へのインターネット接続を進め、市民を対象に接続実験を始めるなどインターネット環境が徐々に整いつつあります。このようなときに、ヤマセミの会は今後もインターネットに大島村の自然情報を、積極的に発信していきたいと思っています。

(本文は、上越地区広域視聴覚ライブラリーの委託研究の報告書として、1月31日に提出したものです。ライブラリー発行の「視聴覚教育年報 '96 」に掲載される予定です。)


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nakamura@ppp.city.joetsu.niigata.jp

last modified 4-February-95