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冬囲い取りと第99回観察会 秋葉山(2007年4月8日)
この冬は記録的に暖かでしたが、3日前の朝には思い出したように降雪があって、ここ「オオムラサキの森」も粉砂糖をまぶしたように白くなっていました。その日で冬は終わったようです。
今日はみんなで植えたクヌギとエノキの冬囲い外しです。薄い雲を透して柔らかに日がそそぎ、作業には快適な陽気となりました。作業とはいっても、枝をまとめて括っておいた縄を外し、痛んだところを剪定するだけなので、便利な道具を手に手に集まった会員諸氏の活躍で、間もなく片付いてしまいました。さて、これからが毎年恒例のお楽しみです。
見渡すと倒れたカヤのあいだから点々とウバユリの葉が顔をだしています。斜面を見上げれば青や黄色のスミレ、そしてカタクリが、風に揺れながらこちらを見おろしています。まさに春の訪れ、山菜の季節です。さっそく自然観察会々員による探索が始まりました。植物といわず動物といわず、野生の物を観察するだけではなく、どちらかというと味も堪能したい面々が揃っているのがこの会の特徴です。「あったあった」と中村事務局長がアズキノノバ(ナンテンハギ)を摘み始めました。その頭上を指さし「あっ、なんかいる!?」と飯田会員。見ると可愛らしいリスが梢を渡っていきました。「ホンドリスだねぇ」と、すかさず解説の岩野会長。自然の多いこの地でも、間近で姿をみるのは稀なことなので、年度始めの嬉しい出会いとなりました。
1時間ほどウロウロして、かごの中にはノノバ(ツリガネニンジン)少々、アズキノノバ、フキノトウ、ウマノミツバ、ヤマアサツキ、ヤマブキショウマ、以上。さて、晩酌のあてにどう料理してやろうかと考えながらニヤニヤしていると、「おーいフクちゃん、おっちょ(お汁)の実!」と高橋長老がノノバをひと掴み、ふた掴み、みぃ掴み・・・さすが!!
発見だったのは、伸びて花の開いたフキノトウは、雄花よりも雌花のほうが柔らかいこと。もうじき役目を終えて消えてしまう雄花に対して、雌花はこれからもうひと伸びして種をつけます。歳はおなじなのに若々しい。そのへんのちがいなのではないかと推察しました。この時期は雌花が美味しそう。〔福井〕

日時:2007年4月8日 日曜日
    冬囲い取り9:00〜9:45
    観察会9:45〜11:40
天候:晴れ
場所:「オオムラサキの森」
参加人数:大人9人

○植物
エゾエンゴサク、オオバキスミレ、キクザキイチリンソウ、エンレイソウ、スミレサイシン、カタクリ、コシノコバイモ、ショウジョウバカマ、ミズバショウ、トキワイカリソウ 10種。
○野鳥
ホオジロ、 シジュウカラ、ヤマガラ、キジバト、コゲラ、アカガラ、オオアカゲラ、トビ、ウグイス、アオサギ、カシラダカ、ハシボソガラス、エナガ、サシバ 14種。
○蝶
ルリタテハ、ヒオドシチョウ、モンシロチョウ、シジミチョウ 4種。
○その他
ホンドリス 1種。

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