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文/植木 務(大島村田麦地区在住)

[2001年3月11日]

<寒のもどり>
 全国的な寒波で、山陰に多く九州四国にも雪が降ったそうです。関西関東でも春先には思わぬ大雪がありますが、それぞれ皆様方御地のご様子は如何だったでしようか。お見舞い申し上げます。
 当地、7日の午後から降り始め今日で丸4日間降りました。この間の降雪は延べ150cm程です。裏山も積雪250cmに戻りました。家の山側は二階の自室の窓の半分の高さまで屋根からの落雪が積もりました。例のエントツは1mほど埋まっています。でも煙突枠が効を奏し排気は白い湯気となって昇っています。
 この土日の休日は午前の2、3時間、家内と雪掘りです。まず道路脇の二つのガレージ前をやり、村の除雪車の「置き土産」を向こうまで運び除けます。次に上の母屋。家内が玄関居間まわりからスノーダンプで下に落としたものを私が道路にいて除雪機で反対側の畑地に吹き飛ばします。
 もうこれからは大した事なかろうと、程々に切り上げています。玄関居間以外の一階は埋まったママで暗いですが、来週からの予報のお日様に頼り、「無駄な努力」は控えています。・・ もうシンドイ!

<三月の雪>
 これだけ降っていますが、それでも三月の降り方は違います。全天雪雲でも明るさがあります。所々の雲の厚みの違いが明るさの斑(まだら)の違いで解ります。降り続いていても時々薄日が差します。ほんの一瞬青空が覗くこともあります。空から降り落ちる密度が違います。粗く薄くなっていてそれだけ遠景の見通しがききます。雪が湿っぽく重くなってきています。

<黄砂の飛来>
 6日の夕方、会社の送迎バスから降りて家路の上り坂を歩き始めて気ずきました。道路脇の雪面が一面一様に黄色っぽくなっていました。黄砂だなと思いました。そういえば前日は強風でした。

<啓蟄(けいちつ)/節気>
 「陽だまり」の板羽さん、前沢さんのメールを拝見して、そうそう5日が「啓蟄」だったと思い出しました。当地は啓蟄どころではなかろうと思われましょうがそうでもないのです。勿論土の中の虫はまだ動けないでしょう。
 でも家の中では「へどがり」が動き出し始めたのです。昨秋に往生(辟易)した何とも云えぬ、あの臭い「へどがり・かめむし」(田麦通信001103)です。秋には採りに採りまくったのですが、不吉な予想通り家の中のあちこちの隙間に潜って、あの奴冬眠していたのです。「啓蟄」のあたりから、ストーヴを点けた部屋で、1匹2匹と、飛び出す様になりました。冬の真っ最中には暖かな部屋でもこんな事はなかったのです。
 奴等も、時期時間を関知する器官を持っているのですね。私は蝶の毛虫は毛嫌いしません。蝶が美しいからです。でも奴等はどうしても愛することが出来ません。奴等も自然の中での果たすべき役割は当然担っているのでしょう。解ります。でも私は嫌いなものは嫌いなのです。お赦しを。
 所で突飛ですが、地球史・古生代・カンブリヤ紀(6億年前)を始点として、それ以降人類の出現から今日に至る永き過程を経るに従い、どうして「生物」は「ヒト」から見て美しく感ずる様に進化てきているのでしょう。創造主に賛美を! 「かめむし君」御免ね。

<田麦の雪解け>
 大島村の中では「田麦」の雪解けは山地にしては早いのだそうです。対照的なのは「菖蒲」。菖蒲高原の「菖蒲」です。長野県境に近く、標高も田麦よりぐっと高く、当然降雪量も格段に多いのです。
 最近初めてそんな事を聞いた時、これは標高や降雪量だけの問題ではないなと思いました。多分山地の傾斜面の問題もあるのでしょう。
田麦は南に面している傾斜地です。一方菖蒲は北に面しています。単位面積当たりに受ける太陽の光量熱量に差がある筈です。従って地温気温の上がり方も違うのでしょう。 ・・ だから、夏は「菖蒲」が良いのです。

<梅のたより>
 懐かしい関西より、メル友の梅の便りがありました。彼の地も今年は例年以上に寒かった様です。

 「この冬は、長期予報では暖冬と報じられていたと思いますが、なんのなんの暖冬なんて程遠く、私の感じでは、むしろ平年並み以下ではなかったかと思います。・・・ご存知のとおり、関西は奈良のお水取りが終わるまでは、まだまだ寒い日があると思います。・・・しかし、寒かった冬も、3月になる少し前ぐらいから、ようやく「今日は暖かいなぁ。」と感じる日が出てきました・・・、ところでこちらは、なかなか咲かなかった梅の花が、やっと咲き出し、近くの甲東梅林では5分咲きぐらいです。」/高田さん。

 「正月前後は暖冬で有り難い冬と思っておりましたが予想がはずれ甲山もアルプスの銀嶺の如く真っ白になる日もあったりして今日(3/7)も冷たい風が吹き荒れております。・・・一方梅が見頃になっております。」/中島さん。

 

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