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文/植木 務(大島村田麦地区在住)

[2001年3月25日]

<ビデオデッキを買いました>
 今まで家には「ビデオ」は有りませんでした。「携帯」もいま以て持っていません。加えて「飛行機」なるものに初めて乗ったのが4年前。「新幹線」に初めて乗ったのは・・・。時代遅れもかなりなものなのです。それでも生活の不便は何も感じていませんでした。負け惜しみではなくて、実際に必要が無かったのです。

 此度、大島村が「NHKの衛星放送テレビ」に出る、若しかしたら私共も「映るかも」知れません。ならば記念の為に、その映像を繰り返し見たい、拙宅の客人にお愛嬌でお見せも出来るかな、・・との思いで、この際買ってみました。

 デジタル化への時代なので、我家の在来機種のテレビなら、ビデオも中古品でOKと思い、その販売店を訪ねました。店員の説明を聞くと、残念なが私には夫れを使いこなす知識が無く、チンプンカンプンでした。そこで結局、新品を求めました。ビデオを買うなら、「このメーカーにしイ」、との岡山の息子の助言で、それにしました。

<ビデオ騒動>
 買って帰り、家で「マニュアル」を見ながら、配線と初期設定をしました。スイッチを入れました。テレビ受信=OK、手持ちのビデオ再生=OK。しかし、録画=NG。「CH設定」をやり直しても駄目でした。「マニュアル」を見ながら、数回設定再確認=OK、それでも駄目。

 そこで、購入店に電話をし、機器を持込んで、プロに設定をやり直して貰いました。「店」ではOK、でも「家」に帰って繋ぐと、駄目なのです。

 その後の購入店との電話相談の「対話」の中で、ヒョンな事から原因が解りました。「共同アンテナ」で受信している場合は、初期設定が違うのだそうです。「田麦」は山間地ゆえにテレビ電波は届き難く、それ故、山の天辺の「共同アンテナ」から各戸に有線で配信されているのです。

 「共同アンテナ」では、「UHF」を「VHF」に変換して配信しているので、メーカー出荷時の初期設定値そのままで使えるのだそうです。この事は「マニュアル」には書いて有りません。
 「マニュアル」通りに初期設定をした事が不調の原因だった訳です。「共同アンテナ」で、ビデオ利用の方々は、皆様この点を克服されている訳でありますが、私にはこんな単純な事すら解りませんでした。

<「IT社会」の不安と対応>
 日常生活に急速に浸透してきている、インフォメーション・テクノロジー。「電気」と「デジタル」の常識的な基礎を弁えている人々には、受入れと使用に抵抗もなく、便利さを享受出来る道具でありましょう。

 しかし、これから、日本の人口構成の比重を増していく「アナログ」で生きて来た私などの中高年者にとっては、必ずしも「活用にやさしい」対象ではなさそうに思うのです。
 機器の「研究製造販売」と、消費者レベルでの「活用支援」とは両輪であらねばならぬでしょう。今後は背景技術をカヴァーする「包括的なソフト」の対応の如何が、この進展を決定的に左右していく様に思います。

 パソコンなら、機種選択、設置、設定、操作支援、トラブル対応、活用により開ける世界、利便性の展示、低コスト方途の提供・・・。
 これらの「商品」が単品であれ、全体としては「包括的」に、「手近に散在」している社会を望みたいと思います。
 先の<ビデオ騒動>での「購入店」の対応が、私にとっては適切懇切であったと好感を抱いたことによる感想です。

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