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文/植木 務(大島村田麦地区在住)

[2001年7月14日]

<カナカナ・・・>
 カナカナ蝉の初聞きは、7/8でした。
2、3日後、カナカナカナ・・・・ 朝4:26、その声に目覚めました。何かもの悲しい情感を呼び起こす響きがあります。これから夏というのに、「秋」を想わせます。
カナカナカナ・・・・鳴き声は始めは強く、次第にトーンダウンして、下すぼまりになり、消えゆくように細まってゆきます。
声が途絶え、暫くするとまた強く、カナカナカナ・・・・ ・ ・ ・ 
夕方の今も窓外の鬱蒼とした暗い裏山で、数匹のカナカナがしっとりとした透きとおった響きを奏でております。

<うぐいす>
 大きな声で、ホーホーホキョ ヒーホケキーケキョ ヒーケキョ ケキキョ ケキキョ ケキキョ ケキョケキョケキョ・・・・ 
朝が白らみ始める頃、夢心地から呼び起こされます。多分畑の向こうの一段と高い所の隣の家の杉の木からです。休日の朝、起こされついでに双眼鏡で覗きましたが姿を見せません。今までは家から出て少し離れた所では鳴いていました。この所、かように極く近くにまで来ているという事は、縄張りを求めて新しい一匹が増えたのでしょうか。
 うぐいすは、託卵されたホトトギスの育ての親でもあるのです。そういえば心なしか今年はホトトギスも多いように思います。

<カラス>
 目の前の裏山に、どうもカラスの巣があるらしいのです。
そのカラスに数羽の子どもがおり随分大きくなりました。鳴き方もやはりどこか子どもらしく、甘えている様な抑揚です。それらがカーカー アーアーアア とうるさい(五月蠅い)のです。
 巣を離れ電柱電線、枝の茂みなどで親の後ろにつかず離れず何羽かで戯れているのを時々見かけます。「会っても」復讐が恐いので目を「合わさない」様にしています。
 ここには「嘴太(はしぶと)ガラス」と「嘴細ガラス」の両方が生息していますが、多分家の裏のは、鳴き声からして「嘴太」だと思います。
 うぐいすは良いけれど、カラスの鳴き声は「不粋で喧しく」戴けません。

<あじさい>
 「紫陽花・八仙花・七変化」、慣用漢字にはこういうのがあるそうです。ユキノシタ科、湿地に強くて肥沃地を好み成長が早い、剪定に耐えて移植は容易(6,11月)・・ とハンドブックにあります。
 鬱陶しい梅雨時は何と云ってもこの花が目を楽しませて呉れます。我が家の玄関への色気もない灰色のコンクリートの段々、その左脇と右上の自生の「あじさい」は今が盛りです。
 出勤の時、段々を降りて数歩いってから後ろを振り返ります。
遅咲きの白い十字のドクダミの株の左右上下に、こんもりとして多花、薄紫色の彼女等の姿の見送りを確かめるのです。

<ゆりの香>
 山ゆりが咲きはじめました。
強い香りかするので離れていても解ります。
家周りの自生のものを、以前から家内が、をちこちに移植してきました。
それが毎年、をちこちに咲き出し、今年もを馥郁とした香りが風に乗り、をちこちに漂ようようになりました。
20本はあるでしょう。背丈程のもあります。一本につき多いのは10こ以上の大きなつぼみを着けています。私はこの花の香りが好きです。
 賛美歌496(うるわしのしらゆり)も想い出深い愛唱歌の一つです。

<梅雨明け間近か>
 「関東甲信_」は11日、梅雨が明けた模様と、TVで報じられました。九州よりも早く、昨年平年よりも早いとの事。例年この数日後に甲信越の「越」が梅雨を明けます。
 ここから見る山の向こうの信州の空は、今日は青く軽ろやか。でもこちらは蒸し暑く、時々驟雨あり。暫時後の空の向こうでは、雷の遠吠え・・。
 近頃の挨拶、「暑くなりましたネー」。それを受けての私の申上げる御挨拶、「雪が降らなくていい塩梅(あんばい)ですネー」。「??」。

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