[ニュースレターNo.24_INDEX]

追い掛けてカタクリが、葉を伸ばすと同時に花を咲かせます。その頃、低木では花の終わったタムシバが葉を広げ、オクチョウジザクラが花を咲かせます。また、常緑のユキツバキ、ヒメアオキは雪に保護され、林床に育ちます。一方、オオバクロモジ、オオイワカガミの様に、葉を大きくする植物が多くなります。林内の植物の開葉が終る頃、ようやく高木のコナラ、ミズナラがビロードのような若芽を広げ始めます。大きな木は、ゆっくりと活動を開始しても、秋までに十分生長できるからです。そのコナラ、ミズナラも若いうちは開葉が早く、薄く大きな葉になります。

カタクリ
カタクリ
オクチョウジザクラ
オクチョウジザクラ
ユキツバキ
ユキツバキ
ヒメアオキ
ヒメアオキ
オオバクロモジ
オオバクロモジ
オオイワカガミ
オオイワカガミ

 このように雪国の雑木林では、そこで生活する植物たちは、どこかのステージで、必ず太陽の恵みを受けることができるようになっています。個々に競争しながらも、互いに譲り合い、多様性を生み出してきました。多雪という厳しさは、一方で保温と豊かな水を保障し、低木常緑樹の越冬、大きな葉を可能にしました。カタクリでみると、関東では北斜面でしか生育できません。ところが雪国では南斜面でも生育できます。このことはユキツバキと同じく、雪の優しさを示します。

 私は、学校も雑木林のようでありたいと考えています。子供たち一人一人の生き方が違っているのですから、雑木林で育つ植物すべてに太陽の光が当たり多様性を保障するように、すべての子供たちに、学校生活のどこかで、必ず日が当たり、その時一人一人の良さが発揮される活動、そして、雪のように厳しさが優しさとなって現れる指導、1年を通し、変化し、賑わいのある学校、そんな学校に近づけたいと願っています。

写真は、大島村教育委員会発行『越後・大島村の植物』より転載させていただきました。

<<前ページ


[ニュースレターNo.24_INDEX]